新しい制度や支援策について案内しても、「説明資料を最後まで読んでもらえない」「自分に関係する制度だと気づいてもらえない」と悩むことがあります。
特に企業向けの制度では、制度名や対象条件だけを説明しても、読み手が「自社の場合はどうなのか」をすぐに判断できるとは限りません。
こうした内容を伝える方法のひとつが、制度に関係する人の状況から説明する漫画です。
漫画の役割は、制度の全文を置き換えることではなく、読者が自分との関係をつかむ入口を作ることです。
どんな人に関係する制度なのか
↓
その人は何に困っているのか
↓
制度のどこを知る必要があるのか
↓
次に何をすればよいのか
という順番に情報を整理することで、制度と読者の接点を見せやすくなります。
この記事では、実際に公共制度の説明漫画を制作した事例も交えながら、制度説明を漫画にするときの考え方を紹介します。
制度説明が文章だけでは伝わりにくい理由
制度説明が難しくなる原因のひとつは、制度を作る側と読む側で前提知識が違うことです。
制度を案内する側にとっては当たり前の用語でも、初めて制度を知る人には意味が分からないことがあります。
また、制度資料では正確性を重視するほど、
- 対象者
- 適用条件
- 例外
- 手続き
- 必要書類
- 期限
- 注意事項
など、多くの情報を記載することになります。
しかし、読者が最初に知りたいのは必ずしも制度の全情報ではありません。
まず、
「これは自分に関係する制度なのか」
を判断したい場合が多いはずです。
そこで漫画では、制度の説明そのものから始めるのではなく、読者に近い人物や具体的な状況から入る方法があります。
制度説明漫画では最初に「誰に何をしてほしいか」を決める
漫画制作を始める前に、制度の詳細をすべて漫画へ盛り込もうとする必要はありません。
先に次の3点を整理します。
誰に読んでほしいのか
たとえば同じ企業向け制度でも、
- 経営者
- 人事担当者
- 経理担当者
- 個人事業主
- 制度を初めて知る人
では、必要な説明が異なります。
主人公を誰にするかを考えると、漫画に必要な情報も絞りやすくなります。
何を理解してほしいのか
制度の全容ではなく、
- 制度の存在を知ってほしい
- 自社が対象になる可能性を知ってほしい
- 制度が自分や自社にどう関係するのかを理解してほしい
- 詳しい資料を読んでほしい
など、記事や漫画ごとに目的を一つ決めます。
読んだ後に何をしてほしいのか
制度説明では、漫画を読んで終わりとは限りません。
たとえば、
- 詳細ページを見る
- 資料をダウンロードする
- 担当窓口へ問い合わせる
- セミナーへ申し込む
など、次の行動があります。
この「読後の行動」まで決めておくと、漫画の終わり方も設計しやすくなります。
制度説明漫画の基本構成
制度の内容によって変わりますが、基本的には次のような流れが考えられます。
1. 読者に近い状況を提示する
最初から制度名を説明するのではなく、
「最近こんなことで困っている」
という状況を描きます。
たとえば企業向け制度なら、
- 新しい事業を始めたい
- 人材確保に困っている
- 設備投資を検討している
- 制度変更への対応が必要になった
といった場面です。
読者が「自社にも近い」と感じられる状況を入口にします。
2. 制度との接点を見せる
続いて、その問題に関係する制度があることを示します。
ここでも、最初から細かな条件を大量に説明する必要はありません。
まずは、
「こういう制度があり、このような場合に関係する可能性がある」
という全体像を理解してもらいます。
3. 必要なポイントだけ説明する
漫画の中では、読者が次の判断をするために必要な情報を優先します。
詳細条件や例外まで漫画へ詰め込むと、結局文字だらけになってしまいます。
細かな情報は、
- Webページ
- PDF資料
- 制度公式ページ
- 別ページのFAQ
などへ分担する方法もあります。
4. 次の行動へつなげる
制度を理解してもらった後は、
詳しく確認する
相談する
セミナーを見る
といった行動へつなげます。
制度漫画そのものを最終説明書にするのではなく、制度を理解するための入口として使う考え方です。
漫画と正式資料の役割を分ける
制度漫画を作る際に難しいのが、どの情報を残すかです。
制度に詳しい担当者ほど、
「これも必要」
「この例外も書いておかなければ」
「この条件も説明したい」
となりやすいものです。
しかし、情報を追加するほど漫画が分かりやすくなるとは限りません。
漫画で説明する情報と、文章で正確に提示する情報を分けることが重要です。
たとえば、
漫画に向いているもの
- 制度に関係する人の状況
- 制度を知るきっかけ
- 制度の大まかな仕組み
- 制度によって何が変わるか
- 次に行うこと
文章・資料に残した方がよいもの
- 細かな適用条件
- 例外規定
- 必要書類一覧
- 法令上の正確な表現
- 頻繁に変更される数値や日付
という分担が考えられます。
漫画は正確な資料を置き換えるものではなく、正確な資料を理解するための前段として使うこともできます。
実際の公共制度説明漫画の制作事例
まんがクリエイトでは、企業向けの公共制度を説明する漫画を制作しました。
制作目的は、行政制度の理解促進とオンラインセミナーへの誘導です。WEB配布資料として利用され、想定読者は中小企業の経営者でした。
この制作では、制度を説明することだけをゴールにせず、読後にオンラインセミナーへ進んでもらう流れを前提に構成しました。
制度説明漫画では、漫画を最終説明書にするのではなく、内容を理解する入口として、その先の詳細情報や行動へつなげる設計もできます。
実際の制作物を確認したい場合は、「公共制度解説・セミナー誘導漫画制作事例」もあわせてご覧ください。
制度説明漫画を依頼する前に用意するとよいもの
漫画用のシナリオまで完成させる必要はありません。
まず次の資料があると、内容を整理しやすくなります。
制度について説明している既存資料
たとえば、
- Webページ
- パンフレット
- PowerPoint
- 制度概要
- 既存の説明文
などです。
漫画制作のために一から資料を作り直す必要はありません。
想定する読者
「企業向け」だけでなく、
どのような立場の人に伝えたいか
まで決めておくと、主人公や説明内容を設計しやすくなります。
漫画を掲載する場所
Webページ、配布資料、パンフレットなど、掲載場所によって漫画の情報量や構成も変わります。
複数媒体で使う予定があるなら、制作開始前に伝えておくとよいでしょう。
漫画を読んだ後の行動
問い合わせ、資料請求、申込、セミナー参加など、漫画の先に何を置くのかも重要です。
難しい制度ほど、まず「誰に関係する話か」を整理する
制度説明漫画で重要なのは、制度を簡単な言葉へ置き換えることだけではありません。
制度と読者の生活・仕事をつなげることです。
漫画では、まず
- 誰が
- どんな状況で
- なぜ制度を知る必要があり
- 次に何をすればよいのか
を整理するだけで、漫画にすべき内容が見えてきます。
制度説明漫画を外注する場合は、既存資料をもとに、漫画にする範囲や構成を相談しながら整理する方法もあります。
制度資料はあるものの、
「どこを漫画にすればいいか分からない」
という場合は、まず目的・読者・掲載媒体を整理すると、漫画にする範囲を考えやすくなります。
制度資料の漫画化を検討している場合は、制作事例も参考にしてください。

