コマをどう描くか

目次

マンガと映画の違い

コマは映画で言うカメラの役割を担っており、キャラクター、背景をどういう方向から、どう映すのかを決めます
ただ映画と決定的に違うのは、連続した映像ではなく、ある時間の切り取った画像であることです
つまり、「どこをどのように切り取るか」が描く人の腕の見せ所になります
それをどうやるのかをこの後説明していきます


コマを描く前に決めること

コマを描く前に決めることは、「コマの大きさ」「コマの形」の2つです
たった2つですが、他のページとの兼ね合いなどがあり、決めるのが非常に難しいです


コマの大きさを決めるのに関係することは
「コマの種類を決めること」「コマに書きたい内容」「テンポ」
の3つです
また、これと関連して「コマのメリハリ」も大事になります


コマの種類を決めること

コマの種類は
「見せコマ」「状況説明コマ」「つなぎのコマ」
の3つがあります
それぞれに特徴はありますが、大きさも関係しています


「見せコマ」はそのページの中でもっとも読者に伝えるコマです
読者に印象づけるためにも、一番大きくなる傾向にあります


「見せコマ」をよりよく見せるためには、
「見せコマ」の前に「フリ」をするコマ
「見せコマ」の後に「抜く」をするコマ
も必要になります


「フリ」のコマは「見せコマ」をよりよく見せるためのコマです
ジャンプの前のタメに似てます
「見せコマ」が「キャラクターの感情」の場合、「フリ」コマは「感情が弱い」コマだったり
「見せコマ」が「書き込み量」の場合、「フリ」コマは「書き込み量の少ない」コマになります


「抜け」のコマは「見せコマ」が終わった後の余韻のためのコマです
背景やキャラクターの反応などが描かれるコマです


「状況説明コマ」のサイズは場面によって大きく変わります
特徴として、背景メインで描かれ、登場人物も遠距離から描くことがあるため、小さい場合は多いです
また、読者にどういう場面か一番最初に伝えるために、一番最初に描かれることが多いです
背景に遠近感を出すために、遠くの背景もしくは、カメラの目の前にある物体を描くと良くなります


「つなぎのコマ」はサイズは自由です
ただ、登場するキャラクターの数や文字数、出来事の数によって、最低限のサイズは決まります


キャラクターの数が増えれば、全員をコマに収めるためにコマを大きくする必要があります
これは、カメラを遠くにおくことによって、コマの大きさを変えずに収めることもできます


吹き出しはカメラを遠くにおいてもサイズは変わりません
そのため、吹き出しの数によって、コマの最小サイズが決まってしまいます



コマに書きたい内容

コマに書きたい内容は「キャラクターの感情変化」「会話や出来事」になると思います
コマに書く内容には特に制限はありません
注意点として、1つのコマに収まる情報量は多すぎると、読者はついていけなくなってしまいます
そのため、情報量は1~2つにしたほうが良いです
例えば、桃太郎の話で、
「川から桃が流れる」「おばあさんがそれに気づく」「おばあさんがそれに拾う」
の3つの情報を1つのコマに収まっている場合は、かなり情報の密度が高いです
そういった場合は一回情報を整理し、別のコマにする、省略してしまうといったことを検討してください


テンポ

テンポもコマの形に関係あります
コマを見ている時間がそのままマンガの中の時間に関係してくるからです
そして、読者はマンガを右から左、つまり横の方向に向かって読み進めます
つまり、コマの横幅の長さがコマのテンポの表現につながります
格闘シーンなどのテンポが激しい場面では、コマは縦長に
キャラクターの感動しているシーンといったテンポのゆっくりな場面では、コマは横長になるようにしましょう


コマのメリハリ

コマの数

コマの数は、4~6コマの間が一番多いです
下の図はワンピースの第一話のコマ数を分析した結果です
ページごとのコマ数のグラフですが、4~6コマが多いことがわかると思います
8,9コマのページは「驚いているシーン」「会話シーン」が多いなどページです
最初のコマ数が少ないのは、初めて読まれるときに読みやすくするためだと思われます



コマの大きさ

コマの大きさをみてみます
下の図はワンピースの第一話のコマの大きさを分析した結果です
見てみるとわかりますが、1ページの中にずとびぬけて大きいコマがあることがわかります
むしろ、大きいコマのないページは、前頁を通しても2,3ページしかないこともわかります
また、前と次のページと比べても、同じタイミングで大きいコマが出てこないようになっていることもわかります

このようにメリハリはコマの大きさ、数によってできることがわかります


※ 背景色がついている範囲は偶数ページです

コマの形

コマの形には
「縦長のコマ」「横長のコマ」「ナナメに切られたコマ」
の3つあります
それぞれに意味と書きやすい内容があります


縦長のコマ

縦長のコマには
「顔を大きく書ける」「迫力が出る」「テンポが速い」「空を含んだコマを書きやすい」
といった特徴があります


横長のコマ

横長のコマには
「キャラクターを多く書ける」「吹き出しを多く書ける」
などがあります
そのため、情報を多く含むことができます



コマをナナメにすること

斜めのコマには
「スペースを作る」「ナナメで切られたコマ同士の関連性を高める」
などがあります


斜めのコマは使いやすく、プロ感があり、印象も強いため、多用したくなりますが実際にはそれほど使われません
自分の好きなマンガを見て、実際にナナメコマが使われているページを確認してみてください
あまりないと思います
ここぞというときに使ってください


「スペースができる」ということは、横長のコマにも縦長のコマの特徴を含むといったことができます
逆に、縦長のコマに横長のコマの特徴を含むことができます
どっちの要素も描く必要のあるコマが出た場合は使ってみてください


「ナナメで切られたコマ同士の関連性を高める」は、言葉そのままになります
ナナメに切られていると、読者は次のコマに移りやすくなります
次のコマに移りやすい、ということは関連性が高い、という意味合いが強まります
例えば、
「時間の関連性がほかのコマと比べて近い(ナナメで切りあったコマだけ一瞬で時が過ぎる)」
「空間の関連性がほかのコマと比べて近い(同じ空間にいる)」
になります



コマの配置・コマ割り

コマの種類はわかったので、どう配置するかについて書きます
コマの配置のパターン複雑です
注意点としては
「メリハリを出すために、他のページとコマ割りは被らないようにすること」
「読者の読みやすいように配置すること」
です
ほかの作者さんのコマ割りを参考にして書いてみてください


例となるものをいくつか置いておきます
ぜひ自分がやるときの参考に使ってください


コマ数が少ない時(3,4コマ)のコマ割り

コマ数が普通の時(5,6コマ)のコマ割り

コマ数が多いの時(7,8コマ)のコマ割り

説明時に使用した画像は、佐藤秀峰先生の「ブラックジャックによろしく」になります

(c)マンガコマッタラー